君に触れたい……。
「……雪さんは、何故こんなことに……?」


そう、尋ねてみた。


すると案の定、雪の母親、綾崎さんは哀しげに微笑んで、答えた。


「雪のお友達が、自殺しようとしてね……。それを助けようと川に飛び込んで、それで……」


隣で、綾崎さんには見えていない雪が、息を飲んだのが分かった。


服の袖を引かれ、俺は雪の手を握った。


「……その友人は、今は……?」
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