君に触れたい……。
それだけを思って、昇降口横の小道を走った。


辿り着いた、見慣れた池。


しかしそこに、雪の姿はなかった。


人の姿は、なかった。


「……ハァ」


溜め息が、出た。


期待の分だけ落胆も大きく、俺は肩を落とした。


けれど、落胆はすぐに、希望に変わった。
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