君に触れたい……。
俺は声を発する前に、走り出していた。


雪に駆け寄り、抱き締める。


触れた手からは、暖かな体温が伝わってくる。


ようやく、雪と出会えた。


雪は俺の胸に顔を埋めながら、言った。


「会いたかった……。やっと、会えたね……」


「俺も、会いたかったよ……雪」


そう言い合って、俺達はどちらからともなく、唇を重ねた。
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