君に触れたい……。
手を繋ぎながら、二人並んで歩いていると、嬉しいけど、恥ずかしいような、くすぐったい感覚になる。


今もまた、手を繋いで、お互いの体温を確かめながら歩いている。


「追試の調子はどう? 無理してない?」


「無理もしないと進級出来ないよぉ。ん~、順調かって訊かれたら、まぁまぁかな?」


俺の心配を笑顔でやり過ごす雪。


まあそれはいつものこと。


それに対しては何も言わない。
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