君に触れたい……。
だってそれは、俺に心配を掛けまいとする雪の優しさだから。


「そう。けどやっぱり無理はしないでよ? 心配するから……」


「ふふっ、うん。ありがとー、鈴君。……でもやっぱり、鈴君と一緒に卒業したいから」


微笑みながら、雪はそんなことを言う。


可愛らしい、曇りない笑顔を、俺に向ける。


それだけで、俺の不安は解消されてしまうのだ。


「……うん、分かった。俺も、手伝うから」
< 97 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop