スキ・泣き・恋
美愛〜




安梨泣いてた…。




私が高塚君と付き合うのを内緒にしてたから…。







「あれ?
美愛ちゃん?」









日下部静奈…。









「…!」












そっか…。








静奈さんも対抗戦リレーに選ばれたって聞いてた…。










「美愛ちゃんは安梨の応援に来たの?」








「そうだよ…!」









それ以外になにがあるんだよ…。










「そっか…?
そうだよね…!」








あっ!








「…!」







静奈さんも心次君がいなくなって、まだ一ヶ月か二ヶ月だもん…。








面影あるか…。







「次は対抗戦リレーです。
選ばれた選手は並んで下さい…。」









安梨が走る番だ…。









「静奈さんも走るんじゃないの?」






「あ、うん!」





久しぶりに静奈さんと喋るから、どうやって喋っていいのかわかんないや…。







「美愛ちゃん!
あの、心次君の時はゴメンね…!
それだけ…!」






「じゃね…」って行っちゃた…。







静奈ちゃんも本当はいい子なのかも知れない…。







「美愛〜!」






安梨の声…。







ドン!






「安梨!
対抗戦リレーの番じゃないの?」






もう並んでるよ…。







「…だって美愛に謝りたかったんだもん!」






謝りたかった?






「高塚君に聞いたの…。
美愛、泣いたりしてゴメンね…。」





アイツ、余計な事を…。






「う、ううん!
私も黙っててゴメンね…。」






「美愛…。」






今にも泣きそうな安梨…。







私の可愛い心友…。






「ほら、泣きそうな顔してないで、出番なんでしょ?
早く行かないと…。」






「うん…。」






明るい安梨が私も大好き……






「頑張れ!
安梨!」







ファイト…。











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