スキ・泣き・恋
「和泉さん、待って〜!」




堀田さん…。






「なんで…?」







「和泉さんと一緒に帰ろうと思ってさ…!」






私と一緒にって…。







「いいじゃん…。
どうせ、帰り道一緒なんだし…。」






そうかも知れないけど…。








「私、少し寄り道して帰りたいんで1人で帰って下さい…。」









「寄り道って何処に行くの?」









気になるんだ…。









「ちょっとね…!」



堀田さんには関係のない事だし…。







「夜道、女の子が1人じゃ危ないから…。
俺も行くよ…。」





堀田さん…。







「ここって…。」






遊園地と海遊館が繋がっている場所…。







「昔、一回来た事があるんだ…。」






やっぱり閉まってるか…。






「和泉さ…ん!」




私と葉山君が初めてデートした場所…。








「8年経っても変わらないなぁ〜!」







葉山君…。






「あれ?
和泉さんに、旅館の人じゃありませんか?」






「比呂さん…!」






葉山君まで一緒…。






「どうしたんですか?」



堀田さんが聞いてる…。






「比呂がどうしても海遊館に行きたいって言うから、貸切ってるんだ…!」





さすが、葉山財閥…。





金持ちは違うね…。






「そうだわ…。
せっかくなんだし、和泉さん達も一緒にどうかしら?」





私達もって…!





「…!」





「ねぇ、あなた…!」





「そうだな…!
和泉さん達が良かったら…!」





和泉さんって…。




呼び捨てだったのに…。






「い、和泉さん?」





やば、泣きそうだよ…!





「いいです…。
おれ達はもう帰るので…!」




堀田さん…。





「…そう!」





「失礼します…!」





堀田さん…。




「有難うございます…。」






「俺はいつでも和泉さんの味方だよって言うただろ?」





心優しい堀田さん…。






少しは好きになってもいいかも知れない…。




「ねぇ、堀田さん!」





「なんだ?」




暗いせいかわかんないけど…。




でも、多分堀田さん赤くなってるのがよくわかるよ…。





「頑張ってみるよ…。
堀田さんを好きになってみる!」






「和泉さん…。」





小さい子みたいに喜んでくれて、そんな堀田さんを好きになってもいいかも知れない…。




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