スキ・泣き・恋
婚約者って…?



「う、嘘だよね?
だって心次君は美愛と付き合ってるんじゃ…?」




だって…


美愛、心次君と幸せだったと思ってたのに…。






「あれはお芝居なの…!
心次君…。モテるから。」






お芝居って…!






「酷い!
心次君も静奈も酷すぎだよ…!」



「安梨ちゃーん!」



奈多君が呼ばれてるのを無視して、無我夢中で走った…。





うぅー。


ーーーー



ハァ、ハァー!





走ったせいか、ハァー、ハァー言ってるし、
涙が止まんないよ…!




ザァザァ〜

ーーーーー






うぅー。


又涙が出て来た…。





美愛…。







「美愛〜。
私、美愛に言えないよ…。心次君との事…!」






あれから、何分泣いてたんだろ?







目が痛い…。






多分、私の顔泣いてたから、ブサイクになってる…。









「お前、泣いてるの…?」





そのこ、声は…?






「葉山君…!
何で…?」






なんでいるの…?






「お前らの声バカ出かすぎ…。
聞きたくない声まで聞こえとる…!」





先の聞いてたんだ…。







「…!」







夜の海…。








「あいつらのやってる事は最低だったな!」






葉山君…。







「でも、お互い親の言いなり同士が決めた事だからな…。」







そんなの関係ない…!


婚約するからって、美愛を利用するなんて…!







「そんなの自由にならない…!」







「確かにな!
でも、俺らも実際は利用してるんだよな?和泉に…!」





確かに…!




でも、それは私に〟フリ〟してって頼んだからだよ…!




美愛とは違う…。





「静奈達は美愛に頼んでないじゃない…。」







そんなの言い訳だよ…。







「…。
じゃ、頼んだら岡下はOKしたか?」





それは…。





「私がしたから、きっと美愛だってしたかも…!」





多分…。

美愛はイケメンに弱いんだもん…。






「俺的にはあいつはしなかったと思う…。
岡下は本気で好きみたいだからな!」




葉山君は美愛の事よくわかってるんだ…。





「葉山君ってどうしてそこまでわかるの?」




マックで知り合って間もないのに…。





「なんとなくだよ…。
心次といつも居てる時、岡下も居てるから…。」






そうかも知れないけど…。




葉山君は多分…?





ビュー。




風が冷たい…。





「風邪引くし、戻るか…?」





「ううん!
もう少しいてる…。」





もう少し夜の海みたい…。





ドン!





「葉山君…!」





一緒にいてくれるの?




「あ、有難う!」





お礼言ったのに、葉山君は黙ったまま…。




まぁ、これが葉山君の優しさなんだけど…。





「キレーイ!」





夜の海って良いなぁ〜!



いつか本当の彼氏といけたらいいな!




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