スキ・泣き・恋

屋台

安梨〜





「安梨〜!」




別荘から帰って来て、一週間…。




コンコン〜






「安梨、いつまで寝てるの?」





いいじゃん…!




夏休みなんだし…。









「夏休みだからっていつまでも寝ない」







ホントうるさい…。








「わかったってば〜!」







美愛に静奈の事どう話そう…?







「ハァー!」





〜♪〜♪〜♪〜♪





電話…?





誰だろう?







「もしもし?」




「あっ!安梨〜?
私、静奈だけど…!」






げっげ!


静奈…。






「静奈…!」





話したくもないし、会いたくもない人…。





「安梨って明日って予定とかある?」






明日は別にないけど…。





「う、う〜!」



電話出るの失敗した…。





「じゃあさ!
明日の夜なら出れる?」





夜…?





「なんで…?」




「夕方から家の近くで屋台やってて、夜からは花火大会するんだって…!」



花火大会か…?





「…!」




「で、麗蘭、乃亜、花穂で行かない?って話てたんだけど、安梨は行かない?」





麗蘭達も行くんだ…。





でもなぁ〜!





「ゴメンね!
美愛と行く約束したんだ…!」




「そう…!」って残念って…。





ホンマは私なんか誘いたくもなかったくせに…。





「じゃ、気が変わったら来て…!」




だって…。




さすがに、美愛とは今は会いたくないみたいだね…!






いつかは美愛にバレるってわかってるか、これ以上は誘わないし…。





「わかった…。
じゃぁね!」





ガチャ〜





花火大会か…。






ホンマは行きたかったんだけどなぁ〜。






〜♪〜♪〜♪〜♪




又電話?



今度は誰?





「もしもし?」



「和泉か?」




葉山君の声…?





「でも、この携帯番号知らない」





「教えてなかったから当たり前だ!」




「えっ?
なんでわかったの?」





「今、口だして言ってた…。






「…!
でも、どうして私の携帯番号知ってるの?」




教えてなかったら尚更…。




「心次に聞いた…!」




「奈多君に…?」




そっか…。



美愛だな!奈多君に教えてないのに、私の携帯番号教えたの…!






「今、暇?」




直接ハッキリと言うな〜!





「どうせ、私は暇ですよ…。






「何言ってるんだ?お前は…!」





ムッ!




「暇だったら何よ〜!」





いちいちムカつく人…。





「お前の家の近くにいてる。
来るか?」






私の家の近くって!




ガラ〜





「なんで…?」





私の家にいてるの…?




「よぅ!」




「待ってて!」





私、パジャマのままだよ…。




















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