スキ・泣き・恋
「ゴメンなさい…。」




俺に謝っても…。





「今、和泉達が話してる…。
お前も謝るんだな…。和泉達に…!」







それが、常識ってもんだ…。







「分かってる…!
分かってるけど、今は会いたくない…!」








ガチャ〜







「静奈…!」








ハァー!











これで、少しは人の痛みをわかる子になれば良いけど…。









「納得がいくように話して…。」







「全部話してやったら?」







「葉山!」







「葉山君…!
なんでいるの?」









話声が外まで聞こえてるし…。









「俺より、なぁ〜!心次…!」








「…
そうだな…。」




ふー。









「…」








「俺、静奈、葉山は小さい時からいつも一緒だったんだ…。
だから、父親の静奈は俺を婚約者として認めてた…。」







ウチの父親は昔から頑固だったから…





静奈は絶対に嫁にやるなら、心次って決められてたからな…。








「静奈の父親が又、静奈を大事にしててな…!」








「…!」










「それに、いつかは俺も父親の後を継ぐのは絶対で…
。静奈の親は大統領みたいに偉い人…。
だから、静奈の婚約は絶対だった…!
そんな時、静奈から提案が来たんだ…!」






「提案?」







岡下がやっと喋った…。






黙って聞いてたみたいだったから…!









「心次君…。
私と結婚決まってて、他の子と付き合った事ないでしょ?」







「…。
だから、なんだよ!」








あいつそんな事言ったりしたのかよ…。









「お試しで他の女性と付き合ってみない?」








たく…。





静奈の考えそうな事…。









「で、奈多君はOKしたワケ?」






「…うん!」






呆れた…。







「お前なぁ…。」







「それに、俺は本当はこんな自分嫌だったんだ…。
だから、静奈の欲望にOKしたんだ…!」






欲望って…。





「心次君…。」






「俺、変わりたかったのもあるんだ…。」






「それは言い訳だろ…!」





あの時に心次に付き合わされた俺の身にもなってほしいわ…。







「確かに…!
でも、別荘の時はあれは静奈が無理矢理して来ただけなんだ…。
そんな時に安梨ちゃんに見つかちゃって…。」






「私が聞きたいのはそれだけじゃないの?」






「美愛!」





「美愛ちゃ…ん!」






「私と付き合った、何カ月間は遊びだったの?」





岡下は何言ってるんだ…?







「ち、違う…。
美愛ちゃんの事、本当に好きだった…。」




好きだったって…!






「…
そっか…!」






「美愛…。」





これ以上ここにいると、岡下も和泉もおかしくなると思うし…。





「和泉、岡下!
帰るぞ…!」






「葉山君…。」







今日はもう帰った方がいい…!







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