幼なじみ恋


「無人島に持っていくならなにって言われたら迷わず先輩を連れてきます って言うくらいに好き」


「真顔で答えられても困る
そしてその例えよくわかんないし」


なぜわからぬ?!
どこにでも連れていきたいっていう愛が伝わるでしょ?!


「なあー倭遅くね?」


「あー、確かに。いつもはもう着いてる頃なのにね」


時計を見ながら話し出すふたり


「どうせまた寝坊だよー
きのう遅くまでバスケの試合の動画見てたみたいだし」


昨日部屋から明かりと音が聞こえてきたからね

「さーすが幼なじみ」


「なんでも知ってんな〜」

そう。倭とは私の幼なじみの高橋倭(たかはしやまと)。
家が隣同士で親同士も仲がいいんだ。

家が隣同士の幼なじみなんて恋愛小説に出てきそうな感じするでしょ?

でも私たちにはそんなあまーい雰囲気になることはなくて、顔を合わせればすぐに喧嘩になるというなんとも色気のない関係。

倭のことをよく知っているのも家が隣同士だから知っているわけで。
深い意味はないのだ。

そこに噂をすれば影

「はよーっす」

「おーおはよ」

「寝坊?」

「ああ 起きた時マジ焦った」

イエーイ自分おみごと!!!パチパチ

「「沙梨大正解。」」

「? ああそうだ、沙梨。
おばさんから弁当預かった」

倭が差し出したのは私のピンクのお弁当入れ


「ああ!忘れてた!!!ありがと!!!」

「ったく朝から面倒なことさせんなよな」

「渡すだけじゃん!!!」

「お前大食いだから弁当重いんだよ」

はあ?!

「倭のよりは小さいし!!!」

どんだけでかいと思ってんの?!
重箱とでも言うつもり?!

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