マルチな彼女に首ったけ!
☆秋川ひとみside
誰かにご飯を作る事は、とても楽しい事だった。
何を作っても美味しいと言ってくれるので、お世辞だとしても嬉しかった。
篠原さんの以前の食生活は外食か、出来合いの惣菜弁当がほとんどだったようだ。
なので、独り分も二人分も作る手間は余り変わらないと、自分に言い訳しつつ、作っていた。
好きなのだろうか?
嫌いではない。
いつまで、ずるずる行くか、辞め時が分からなくなってるのもあった。
交際してもいないのに部屋に行き来する。
それは、自分的にはあり得ない事だった。
そんなこんなのある日、隣街のレストランに誘われた。
今までのお礼のつもりらしい。
これが潮時かも知れない。
もう、部屋に行き来するのは辞めよう。
ちょっと余所行きのワンピースを着て、篠原さんの車で出掛けた。
彼もスーツ姿で、ビシッと決めていて格好良い。
昨夜会った時には仕事を終らすのに必死だったらしく、かなりヨレヨレだったのでちょっと笑える。
レストランでコース料理をご馳走になる。
私の料理は悪く言えば田舎料理、良く言えば家庭的なので、こういうコース料理は洗練されていて、とても新鮮に感じられる。
「今日はありがとうございます。とても美味しかったです。」
帰りの車に乗り込んだ時、お礼をのべた。
車は発進せず、彼はじっと見つめてきた。
空気が濃密になった気がして、息苦しくなる。
これは、もしかして………。
「秋川さん、いえ、ひとみさん。
俺はあなたに惚れてます。
結婚を前提にお付き合いしてくれませんか。」
彼の熱い視線が私に注がれる。
私はこの言葉を待っていたのかも知れない。
「私で良いんですか?」
「あなたしか、いません。
俺は初めてあなたに出逢った時から、あなたに首ったけなんですから。
どうやって知り合いになろうか、必死で考えていました。
ひとみさんの事を知れば知るほどに、好きになりました。
看病してくれて、毎日顔を見る事が出来、とても幸せでした。
願わくば、この先もずっと、いつまでも隣にいて欲しいのです。
家族になりたいんです。
ダメですか?」
「有り難うございます。
とても嬉しいです。
ふつつかものですが、宜しくお願いします。」
「!!ひとみさん!!!こ、こちらこそ、宜しくお願いします!」
彼に、思わず、という風に抱き付かれた。
狭い車の中なので、それほど密着する訳でも無く、体勢もきつくて、色々笑えてきてしまう。
「篠原さん………慎さん、場所変えませんか?」
苦笑まじりにそう、提案すると、彼は慌てて車を発進させる。
「家に帰っていいですか?
ああ、もう、遠いな!
こんな、隣街になんて来るんじゃなかった!」
「家でも良いですけど、安全運転でお願いしますね。」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
篠原慎は、秋川ひとみとの未来に向けて走り出した。
安全運転第一で。
尻に敷かれるかもと思いながら、それも惚れた弱味だ。
とりあえず、今は家に帰って二人の幸せを堪能しよう。
これから先、どんな彼女の顔が見れるのか楽しみだ。
何せ俺の彼女は何でもこなす、マルチな人だから!!
何を作っても美味しいと言ってくれるので、お世辞だとしても嬉しかった。
篠原さんの以前の食生活は外食か、出来合いの惣菜弁当がほとんどだったようだ。
なので、独り分も二人分も作る手間は余り変わらないと、自分に言い訳しつつ、作っていた。
好きなのだろうか?
嫌いではない。
いつまで、ずるずる行くか、辞め時が分からなくなってるのもあった。
交際してもいないのに部屋に行き来する。
それは、自分的にはあり得ない事だった。
そんなこんなのある日、隣街のレストランに誘われた。
今までのお礼のつもりらしい。
これが潮時かも知れない。
もう、部屋に行き来するのは辞めよう。
ちょっと余所行きのワンピースを着て、篠原さんの車で出掛けた。
彼もスーツ姿で、ビシッと決めていて格好良い。
昨夜会った時には仕事を終らすのに必死だったらしく、かなりヨレヨレだったのでちょっと笑える。
レストランでコース料理をご馳走になる。
私の料理は悪く言えば田舎料理、良く言えば家庭的なので、こういうコース料理は洗練されていて、とても新鮮に感じられる。
「今日はありがとうございます。とても美味しかったです。」
帰りの車に乗り込んだ時、お礼をのべた。
車は発進せず、彼はじっと見つめてきた。
空気が濃密になった気がして、息苦しくなる。
これは、もしかして………。
「秋川さん、いえ、ひとみさん。
俺はあなたに惚れてます。
結婚を前提にお付き合いしてくれませんか。」
彼の熱い視線が私に注がれる。
私はこの言葉を待っていたのかも知れない。
「私で良いんですか?」
「あなたしか、いません。
俺は初めてあなたに出逢った時から、あなたに首ったけなんですから。
どうやって知り合いになろうか、必死で考えていました。
ひとみさんの事を知れば知るほどに、好きになりました。
看病してくれて、毎日顔を見る事が出来、とても幸せでした。
願わくば、この先もずっと、いつまでも隣にいて欲しいのです。
家族になりたいんです。
ダメですか?」
「有り難うございます。
とても嬉しいです。
ふつつかものですが、宜しくお願いします。」
「!!ひとみさん!!!こ、こちらこそ、宜しくお願いします!」
彼に、思わず、という風に抱き付かれた。
狭い車の中なので、それほど密着する訳でも無く、体勢もきつくて、色々笑えてきてしまう。
「篠原さん………慎さん、場所変えませんか?」
苦笑まじりにそう、提案すると、彼は慌てて車を発進させる。
「家に帰っていいですか?
ああ、もう、遠いな!
こんな、隣街になんて来るんじゃなかった!」
「家でも良いですけど、安全運転でお願いしますね。」
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篠原慎は、秋川ひとみとの未来に向けて走り出した。
安全運転第一で。
尻に敷かれるかもと思いながら、それも惚れた弱味だ。
とりあえず、今は家に帰って二人の幸せを堪能しよう。
これから先、どんな彼女の顔が見れるのか楽しみだ。
何せ俺の彼女は何でもこなす、マルチな人だから!!