2度目の初めまして。
「今はお試し期間だからさ。1週間経った後にちゃんと契約するか返事くれればいいから」
「お試しなんて……」
「やなの?」
「そりゃ、まあ……」
歯切れの悪い返事になったが、俯きがちになっていると足音が聞こえた。
顔を上げると、彼が目の前にまできて立っていた。
「とりあえず1週間。よろしくしてくれないかな?」
「…………仕事ですもんね」
そう言うと、彼は返事に困ったような顔をした。
やっぱり、頼まれたからにはちゃんとやらないと彼には彼なりの立場があるのだろう。
「神崎夏哉です。まだ大学生でバイトだけど、とりあえず1週間よろしくお願いします」
「……あ、朝比奈はるかです……」
ぺこりと頭を下げると、彼は満足そうに笑った。
その笑顔がこの夏の太陽のように眩しくて、私はつい目をそらしてしまった。