2度目の初めまして。
返事に困ってしまい、私はあからさまに視線を背ける。
なのに向こうは嫌な顔一つせずに私の手からコンビニ弁当を取った。
「これ、冷蔵庫にしまっておくよ。これからなにか用事はある?」
「いや……特にはないけど」
「じゃあいつも何してるの?」
「勉強かな」
まだ肩にかけていたスクールバッグを見て、彼ーナツ、と呼んでいいのだろうかーは感心した顔を見せてきた。
「凄いね、俺勉強は苦手だよ」
「他にやることがないだけです」
私はスクールバッグを肩からおろしてある部屋を指さす。
玄関からの廊下に続く道に、私の部屋はある。
右側の、手前から2番目。
そこが私の部屋だ。
ほかの部屋は、お風呂だとかトイレだとかほかの家とあまり変わらない。