2度目の初めまして。
私がリビングに戻ると、ナツは今までつけていなかった緑色のエプロンをつけてキッチンに立っていた。
腰に手を当てて斜め上を見つめていた。
私が来たのにも気づかずに何をしているのだろうかと思って見つめていると、
私がここに来て20秒は経った頃にようやく私に気づいたみたいだ。
「あれ、どうかしたの?」
「いや。特に用事はないです。……何してるんですか?」
無意識に私服を庇うようにして立ってしまうが、ナツは特に気にした様子もなく笑った。
「晩御飯のメニュー考えてたんだよ。何がいい?」
「……」
そんなことで私に気づかないまで考え込むなんて凄いと思うけど、
私はとにかく食べたいものを思い浮かべてみた。
「……オムライスとか、かな」
「へえ。意外と子供っぽいの好きなんだね」
「う、うるさい……」
「その部屋着も、可愛い系が好きなのか」
私は恥ずかしくて慌ててドアの方に隠れた。
俯いていると、ナツが焦ったようにして苦笑する。
「うそうそ。ごめんって。似合ってるよ、オムライス作るから」
「……あっそ」