2度目の初めまして。
顔が赤面しているのに気付き、私は出来るだけナツの方を見ないようにして彼に背を向けた。
「……勉強してくる」
「うん、頑張ってね」
* * * * *
「んっ、ん〜……!」
約1時間くらい勉強をして現在6時過ぎ。
そろそろ晩ご飯にしている時間だが、ナツは一体どうしたのだろう。
あれから1時間何をしているのかも知らないし、まさかずっとオムライスを作っているはずはない。
作り終わったなら部屋に来るだろう……また、なにか考え事か。
「……見てみるか」
使い古された勉強机の椅子から立ち上がって私は部屋を出る。
廊下に出た途端、鼻腔をくすぐる匂いに足を止めた。
間違いない、バターの匂い。
私は少し気分が高鳴りながらリビングへ向かった。