【B】きみのとなり
「そういう事」
「お前、医者続けられてたんだな」
「まぁね。捨てる奴もいたら、拾ってくれる奴もいんだよ」
「また、同期のやつらと飲みに行こうぜ。
同期の奴らも、安田の心配してるやついたから安心するだろうぜ」
「時間あったらな。
んじゃ、オレ行くわ」
衣笠を時任のマンションに残して、オレは玄関を後にすると、
マンションの前にとめてあった車に乗り込んで、
慌てて自宅へと急いだ。
すでに日付が変わって、二時間くらい過ぎようとしていた。
灯りの消えたマンションのリビングで、
アイツはソファーに横になって毛布に包まりながら寝息を立ててた。
灯りを付けるスイッチの音で、
氷夢華は目をこすりながら起き上がってオレを見つめる。
「兄貴……帰って来れたんだ……」
そういって、嬉しそうに微笑んだ。
そんなアイツをいてもたってもたまらなくなって、
そのまま力強く抱き寄せた。
「なぁ……氷夢華……オレだけの小悪魔で居てくれるか?」
抱き寄せながら呟いてみる。
アイツはオレに抱きしめられながら『バカ……』っと呟き返した。
そのまま理性のリミッターは外れて、
アイツをベッドへと連れ込んだ。