【B】きみのとなり
【おまけ】家族になる日
プロローグ
アイツがオレの隣に居て笑ってくれることが、
こんなにも幸福なんだと思い知らされる。
おふくろが亡くなって家族が居なくなって、
ずっと独りで我武者羅に走り続けてた。
立ち止まったら、
もう動き出せなくなるような気がして。
鷹宮の屋敷に居候させて貰って、
勇人や千尋君と過ごした時間から、
憧れ続けてきた『家族』と言う温もり。
アイツはオレに、
家族をくれると何度も何度も笑いかけてくれた。
『憧れ』が目前の現実へと近づくときこれからの重責を見つめながら、
なかなかその一歩を踏み出せずにいた。
相変わらずな時間を過ごしながら、
季節は時任との事件が解決して一年一ヶ月が過ぎようとしていた。