【B】きみのとなり
-花火大会当日-
あぁ~。
ベッドの中、一人
おもいっきりノビをして
体を起こす私。
私、橘高氷夢華。
枕元の携帯を手繰り寄せて
時間を確認。
やりぃー。
優秀優秀。
目覚ましよりも
先に目覚めるなんて
珍しい。
ベッドをゴソゴソと這い出して
寝室をゆっくりと出る。
「兄貴?」
家の中、兄貴の姿を探して
フラフラ。
ダイニングの机の上。
きったない兄貴の癖のある文字で
書きなぐられてる置手紙。
★
氷夢華、おはよー。
良く寝れたか。
最近、帰れなくて悪いな。
着替えと風呂にゆっくり入りたくて
帰ってきた。
良く寝てたから
声かけるのやめた。
今日、約束の花火だよな。
何事もなければ……
付き合ってやるよ。
朝食、
レンジの中にあるから食えよ。
じゃあ、先行くな。
嵩継
★