【B】きみのとなり
朝から気合のメイクをして……
いざ、地下にある愛車にのって出勤。
軽快なエンジン音が心地よく周囲に響き、
地下駐車場から地上に姿を見せた愛車の
アクセルを勢いよく踏み込む。
病院までのわずかな距離を
ドライブして……
いつもの駐車場に
車を滑り込ませる。
「おはよう」
偶然、駐車場に居合わせた
透析室の、李玖を
とっつかまえて声をかける。
「あっ、おはよう。
氷夢華さん」
「って言うか……
いつまでたっても、名前……
氷夢華さんのままだねー。
アンタ。
まぁ、いいけどさ。
それより、今日、花火大会じゃん。
アンタどうするの?
早城センセーとさ」
李玖は、
兄貴の後輩医師、堅物の天敵。
早城飛翔の恋人なんかがが出来ちゃう
奇特な人。