【B】きみのとなり
「放射線技師を一人、面接してくれませんか?」
「採用するしないは問わない。
それで構わないなら明日、連れてきなさい。
その人と会って結果次第で決めるとしよう」
院長はそう言って、オレとアイツにチャンスをくれた。
後はアイツ次第か。
アイツの腕はオレが保証できる。
後はアイツの仕事に対する姿勢。
多分、大丈夫だろ。
面接前にも関わらず、どこか安堵しているオレが存在する。
翌日アイツがまだ眠る中、家を出る。
テーブルの上には置手紙を一つ。
病院の住所と、面接に来るようにとその時間を記した。
鷹宮の家に逃げ出したところで解決するわけじゃない。
どうしたらいい?
氷夢華の親父さんとおばさんの顔がちらつく中、
おふくろの説教が聞こえてくるような気がした。