【B】きみのとなり

「放射線技師を一人、面接してくれませんか?」


「採用するしないは問わない。

 それで構わないなら明日、連れてきなさい。
 その人と会って結果次第で決めるとしよう」



院長はそう言って、オレとアイツにチャンスをくれた。

後はアイツ次第か。

アイツの腕はオレが保証できる。
後はアイツの仕事に対する姿勢。

多分、大丈夫だろ。

面接前にも関わらず、どこか安堵しているオレが存在する。


翌日アイツがまだ眠る中、家を出る。
テーブルの上には置手紙を一つ。


病院の住所と、面接に来るようにとその時間を記した。
鷹宮の家に逃げ出したところで解決するわけじゃない。



どうしたらいい?


氷夢華の親父さんとおばさんの顔がちらつく中、
おふくろの説教が聞こえてくるような気がした。

< 14 / 149 >

この作品をシェア

pagetop