【B】きみのとなり
なんの代わり映えもしない、そんな短い手紙だけど、
それでもその手紙を見ただけで、心の中があたたかくなってるアタシが存在する。
……兄貴も無理しないでよ。兄貴が倒れたら、元も子もないんだから……。
思わず誰も居ない部屋に言葉を吐き出すと、
アタシは慌ただしい出勤準備を始めた。
鷹宮に出勤した直後、まだ朝早いにも関わらず、
アタシは見たくもない姿を視界にとめる。
兄貴、またあの女と一緒に歩いてるっ。
思わず壁やぬいぐるみ、クッションをぶん殴りたくなる衝動を覚えながら、
アタシは慌ててロッカールームへと向かった。