極道のこどもたち~愛されてる意味~

――コンコン。


部屋のドアがノックされた。


「開いてるよ」

声を掛けると、ドアが開き、世話係の“真守”が入ってきた。


「準備は出来たか?」

真守は制服に着替えた私を見て言う。

「えぇ。出来てるわ」

私が言うと、真守は私の腕を引き自分の胸におさめた。


「お前は強い。もう、どんな事も乗り越えられる」


普通は抱きしめられてこんな事を言われたら泣いてしまうのかも知れない。

だけど、私は…。




ドスッ!



「誰が抱きついて良いと言った。立場を弁えろ!下僕が!!」



私は真守の鳩尾にキツイ1発をお見舞した。


「…っ。それが…従兄…にする…態度か……」


悶絶する真守に言う。


「私の世話係になった以上、従兄もなにもない」


私は真守を置いて部屋を出た。







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