極道のこどもたち~愛されてる意味~
「あれ?姐さん?真守はどうしたんで?」
部屋を出た私は食堂に向かった。
食堂で忙しくしている、料理人のテツが聞いてきた。
「キツイのを喰らわせてやった」
「ガハハハハ。姐さんは相変わらずだな」
テツは厳つい顔をくしゃくしゃにして笑った。
「真守が悪い。側近としての自覚がない」
「姐さんは貫禄が出てきましたね」
「そうか?なら、嬉しい」
「しかし、よかったんですかい?あっさり跡継ぎになっちまって…」
「私が継がなければ…“神影組”が潰れてしまう。そしたら、何十人何百人と行き場の無い奴等を作ってしまう…。
馬鹿な連中だが、私には家族だ」
「姐さん…」
「テツ、“組長”だ」
私はそう言って食堂を後にした。