【完】さらば憧れのブルー
「まあ、私は大丈夫ですよ」
「ありがとう!優花ちゃんに変なことしないように、私が見張っておくから」
「変な事って……」
「思春期の男子は、私たちが思っているよりもエッチだからね」
「そんなもんですか……」
「そんなもんよ」
「私、よく分からなくって」
「そっか……優花ちゃん、彼氏できた?」
「できるわけないじゃないですか」
「そう?でもモテるでしょ?優花ちゃんキレイだもん。一紀もキレイだって、言ってたよ」
「へ!?」
「あ、これ内緒ね。一紀に怒られるから」
美由紀さんはそう言って、人差し指をオレンジ色の口紅を綺麗に塗った唇に持っていくと、「シーッ」と可愛らしい音を鳴らして、ころころと笑った。
美由紀さんは、車を家の前に停めて足早に家の中に入ると、5分ほどで、小さなトートバックと、少し大き目の紙袋を持って家から出てきた。