【完】さらば憧れのブルー
 
「もう進路決めてるんだね」
 


それを聞いた雄兄が感心したように頷いた。
 


「え?優花ちゃんも出したでしょ?進路希望調査」
 


「え?何それ?」
 


雄兄がびっくりしたようにバックミラー越しに私を見た。
 


「ごめん……いまいち自分が何をしたいのか分からなくて……進路希望調査出してないんだ」
 


「そうなんだ……」
 


「担任の先生は、連休明けでもいいよって言ってくれたから、連休中に考えるよ」
 


「私はね、専門学校って書いたよ。別にそれで決まってるわけじゃないけど、とりあえずそれで提出したんだ。夏休みにオープンキャンパスもあるみたいだし、見て変えてもいいかなって」
 


菜子が、私の膝に手を置いて、まるで大丈夫と言っているかのようにぽんぽんと軽く叩いてくれた。
 


「それでもいいかもね。私なんて、願書出す直前まで悩んだし」
 


美由紀さんがにっこり笑いながら「焦らない、焦らない」と言ってくれた。
 


「とりあえず、無難に地元の大学にしておいたら?いろいろ学部あるし」
 


高森君が適当そうにそんなこというから、「じゃあ、何学部があるの?」と突っ込んで聞いてみた。
 


「武田さんって英語得意じゃん?英語得意なのって、何でもいけるじゃん?交渉系の仕事とか通訳とかだってあるし。教育学部の英語選考とかもいいんじゃない?」
 


……なんだか、私より私のことを分かっていて驚いてしまった。
 


私は、「なるほどな……」と、高森君の話になんだか腑に落ちてしまった。

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