【完】さらば憧れのブルー
「こうやって菜子とまともに話ししたの久しぶりだよね」
「そうだね。クラス違うしお互い放課後は部活とバイトだしね」
「クラスでうまくやれてる?」
「うん。心配していたよりはね。優花以外にも話せる友達出来たし」
「そうなんだ。なんか妬ける」
私はそう言って菜子の腕に絡みついた。
「そういえば、有村さんに告白した斉藤君とはどうなってるの?」
最後に残ったイカの足を食べながら高森君が菜子に尋ねた。
「どうって……普通に……ときどき話す……」
菜子はそう言って、頬を赤らめた。
「へえ。いい感じなんだ」
「いい感じっていうか……」
菜子はそう言って、高森君をちらっと見て私の耳元に口を近づけると、「たぶん好きかも」と、私の耳にこっそりと言葉を残した。
高森君に聞かれると恥ずかしいんだなと思い、私はその言葉を聞いた後、菜子にピースサインを向けて合図だけでその言葉に応えた。
菜子はそれを見て恥ずかしそうに笑うと、私にピースサインを返した。