【完】さらば憧れのブルー
「なんか、俺だけ仲間はずれじゃん?」
「仕方ないよ。乙女の話だし」
「そうかい。まだしばらく話してるんだろ?俺、適当になんか買ってくるわ」
高森君はそう言って、「ここから動くなよ」と言って、イカ焼きが売られていた海の家の方へ歩いて行った。
「こそこそして悪かったかな?」
菜子が姿が小さくなっていく高森君を見ながら、気にしていた。
「そんなことないよ。たぶん気使ったんだと思うよ、私たちを見て」
「そうなの?」
「そう。高森君ってね、優しいよ」
「そうなんだ……ってかさ、もしかして優花って、高森君に……これ?」
そう言って菜子は、さっきのピースサインをもう一度出して、私に向けた。
「どうだろ?……ちょっと微妙だけど、もしかしたらね」
「そうなんだ。高森君は絶対優花のこと好きだよね」
「ははっ。バレバレだよね。そういうところも嫌いじゃないよ」
「お互い頑張ろうね」