はじまりはミステイク

「今までずっと、彼女が出来ないことを友達にバカにされててさ。それで」


「は？そんなの友達じゃない！どこのどいつ！？」


「ぶはっ。マジになんなよ。ジョーダンだって」


……っ、笑った。


藤山が、笑った……かも。


「じゃ、またね」


そしてそのまま、ヒラヒラと手を振って去った藤山。


あれ？私…………何か変。胸がドキドキ言ってんだけど！？





藤山は、ちょっと見上げるくらいの身長で、私より背が高かった。


藤山は、黒髪の短髪で目はムカつくくらいくっきりした二重だった。


藤山は、つかみどころがよく分からない人で、でも笑顔はわりと可愛く思えた。




藤山の名前は……あれ？聞くの忘れちゃった。


「……まぁ、また聞けばいっかな」


何だろう、このドキドキ。


きっとあれだ。男慣れしてないから心臓がおかしくなっちゃってんだ。


きっと……絶対、そうだ。