はじまりはミステイク



「も、ってことはあまりも?」


「うん。負けないからね!」


そっかぁ、藤山も応援団だったら部活と両立するわけだし、忙しくなるんだ。


会うっていう約束はほとんどしない。今もこうして登校中に偶然会うくらいだから……会う率は減るね。


「ん?あまりどうしたの?」


藤山が尋ねる。


「ううん、考え事!」


「あれでしょ。体育祭の後のテストのことでしょ」


「えっ?しまった!またテスト来るじゃん」


楽しみの後の地獄だよー。


「藤山協力してくれる?」


「ゴチになりまーす」


う、仕方ない。


「そ、その条件のもうではないか」


「嘘だよ。次は赤点取らないようにしよう」


藤山って優しいよな。


私の方が年上なのに面倒見がいいし。


藤山って……


「あまり、またボーッとしてる」


藤山って、嫌いじゃない。



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