はじまりはミステイク
「圭吾くん、おはよう」
「おはよー。今日も暑いなぁ」
圭吾くん、今日髪型が違う?あ、髪全体にワックス使ってるのかな?いつもと雰囲気違う気がする。
「今日気合い入ってるの?」
「お?天木気づいた?やっぱこういうイベントは頑張んねーとな」
圭吾くんの意気込みに笑みがこぼれる。
剣道部に入部してからの彼は、前よりも輝いて見える。
好きなことを出来て相当嬉しいんだろうなって思うんだ。
そして始まった体育祭。
開会式の後、1回目の応援合戦。青団として参戦した私の目は、赤団の藤山へと視線がチラついていた。もちろん、コソッとね。
藤山もちゃんとやってんじゃん。
そう思った時に藤山と目が合った気がした。
そして各種目が終わり、障害物リレーの出番が来た私。
「よし!青団の勝利のために頑張る」
「あの粉のやつ、マジでヤバいから気をつけてね」
ゲッソリした顔で言う一華ちゃんは、去年の体育祭で、障害物リレーに出たのだ。が、もう出たくないとの一言だった。