はじまりはミステイク



「位置について、よーいドンッ!」


始まった障害物リレー。


私は最後の組。先頭の子の様子を眺める。


うわ、チャリちっちゃくない!?って、あの網絶対時間かかるでしょ!?なんて心の中でツッコミを入れる。


なんせ、練習時はどんなトラップがあるかなんて言われてないもので、このトラップ達との対面は今日が初めてなのだ。


「はい!まりちゃんっ」


そして回ってきた私の番。


受け取ったのは、子供用の三輪車。こんなの漕ぎにくいに決まってるー。それから三輪車とさよならして網ネット潜り。


「やだ!髪の毛が!」


「もうっ、何これっ」


他のチームの子も悪戦苦闘。もちろん私も。こりゃ、せっかくセットしてきた髪も台無しだ。


「うりゃーっ」


それでも何とかくぐり抜け、次のトラップへ。ラケットを支えにしてグルグル回るヤツ。終わった後は予想通りフラフラ。


そのままの状態で一華ちゃんの大嫌いなアメ食いだ。白い粉の中にアメが埋もれているのだが、そのアメを顔を突っ込んで探し当てるのだ。



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