はじまりはミステイク
「言われてなかったよ。でも、すぐに分かったけどね」
「もうあれヤダ!見たでしょ?スタートが三輪車で……」
そう言う私を見てクスッと笑う藤山。
「な、何笑ってんの」
「ん、まだ粉付いてんのに文句続けるのかなって」
「え!どこ!?」
「ココ」
そう言って、私のおでこを触った藤山。どうやら粉を取ってくれたらしい。
「う、あ、ありがとう」
「うん。次騎馬戦だから見てね」
そう言って集合場所へ向かった藤山。
「次、騎馬戦なんだね、一華ちゃん」
「そうみたいだね。テント戻ろっか」
「ねぇ、一華ちゃん」
「ん?」
「藤山、なんかカッコいいよね」
「ごめん、それはよく分かんないや」
バカにされているのかと思えば優しくて。
私の心臓は藤山を前にするとおかしくなってきた。
テントに戻ると、ちょうど騎馬戦が始まるところだった。
「って藤山どれ!?」
「みんな男子で分かんないね」