はじまりはミステイク



その時の応援合戦は覚えていない。頭の中は藤山だらけだったんだもん。


青団も学ランは着ていた。でも、圭吾くんのカッコ良さよりも……藤山の方に目がいった。


いつもと雰囲気が違うと結構やられるな、私のハート!!


「一華ちゃん見た!?見たよね!?」


「何を?」


「藤山だよっ」


応援合戦後、テントへ戻って一華ちゃんの元へダッシュ。彼女はケータイをいじっていた。


「何かあった?」


「あったよー!ありまくりっ」


「藤山?怪我でもしたの?」


「違うよー。ほら見て!アイツを見てっ」


赤団の人と話す藤山を指差す私。


「学ランってとこ?ん?髪?」


「そう!ヤバくない?私、応援合戦気合い入んなかったんだけど!」


「いや、ちょっと変わったくらいじゃん。トキメキも何も」


「シャラップ」


ちょっと変わった、それが心臓に悪いんだよ。


「そんな言うなら写真撮ればいいのに」


「!!ナイス一華ちゃん!」


「じゃ、行くよ」


へ?



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