はじまりはミステイク
「圭吾くん達全然ダメじゃんね」
「結局青団ビリだよー」
当然、青団からブーイングを受けたムカデ競争メンバー。圭吾くんも少し落ち込んでいた。
「元気出してよ、圭吾くん」
そう言って彼に声をかけた。
「天木、リレーで取り返そうな!」
そうだ、圭吾くんも選抜リレーメンバーなのだ。
「そうだね。さっきの分を取り返そう!」
圭吾くんの言葉に乗り、2人で握手を交わす。
あ、圭吾くんの手……マメが出来てる。
「ねぇ、剣道頑張ってるんだね?」
「え、何で」
「掌にマメが出来てる」
「あー、なんか恥ずかしい」
苦笑する圭吾くん。
「そんな事ないよ!早く圭吾くんの剣道姿見たいもんっ。無理しないで頑張ってね」
両手で圭吾くんの手を握り返した。圭吾くんが笑顔で頷いてくれた。
「それにしてもさ、天木」
「?」
すると、圭吾くんがニヤッとしながら私に言った。
「藤山と仲良しだな」
!?