はじまりはミステイク



へへ、嬉しいや。


そんなことを考えながら退場した。と、その時、次の出番である赤団の中に藤山の姿を見つけた。


「藤山、青団の威力を見たか!」


いつものように話しかける私。


「ニヤニヤし過ぎ」


私の言葉に対しての返事がコレだ。


「ニヤけてなんか……っ」


いや、否定できない。


「圭吾先輩ばーっかり見てたね。顔に書いてある」


「なっ、何ふざけた事言ってんのっ」


「そんな青団には負けませんよーだ」


そう言ってデコピンして去った藤山。ったぁー。何すんのよ!!


「絶対青団が勝ってやるんだから!」


そんな私の叫びは藤山の背中に跳ね返された。


赤団は学ランで合気道とダンスを披露。ふんっ、絶対青団の方がいい!なんて思いながらも、藤山のことをチラチラ見てしまう。


くぅ、今日の藤山……ドキドキするんだよね。


圭吾くんにも藤山にもドキドキして、私の心臓は忙しい。


「今日だけ。今日だけ……」


何度自分に言い聞かせたんだろう。


それくらいアイツにドキドキした。



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