はじまりはミステイク
チャリに飛び乗って、2人で家路へ向かう。
少しずつ私の家に近づいていく。藤山はこのテスト勉強後は家まで送ってくれるという、紳士的な対応をしてくれるのだ。
そして、私の家の前に着いた。チャリから降りた私は藤山を見る。
「藤山」
「ん?」
「部活で疲れてるのに、勉強に付き合ってくれてありがとう」
いくらニセ彼女とはいえ、こんな私を女子扱いしてくれてるのかなって思うの。
部活が終わってクタクタなはずなのに、頭が悪い私の勉強に付き合ってくれて……本当にありがたい。
「勉強は俺のためでもあるから気にしないで」
ほら、そう言ってこっちが悪くないような言い方をしてくれるんだ。
「明日もよろしくね」
「明日はテスト前日だからスパルタだよ。今日は振り返りをしてゆっくり休んでね」
前言撤回。
勉強のことになると、意外と厳しい藤山がちょっぴり恐ろしい。