はじまりはミステイク
「まりりんさ、結構藤山にハマってんじゃない?」
「え?」
「今日1日だけで、何度藤山ワードを聞いたことか」
ふふっと笑いながら、定食の味噌汁をすする一華ちゃん。
「……新鮮だからだよ。ほら、年下の子と仲良くなるなんて初めてだからっ」
「ふーん?どうかな」
「なによー、その意味深な言葉」
「これからが楽しみだなって」
これからって……私、藤山といつまで付き合えるかと分かんないのに。
「これからも何も、私は圭吾くんが好きだし」
「でも、今の状況じゃ圭吾くんに好きって言えないよね」
「…………」
やっぱり、付き合うこと……きちんと断ればよかったかな。
「藤山のことを好きって勘違いされてるし、その勘違いをまずは解かなきゃいけないね」
「そう、だよね」
直接は言いにくいし、藤山にラインするって言ったからラインで話を切り出そうかな。