はじまりはミステイク



そして3人も同じテーブルに腰掛けて、カバンから教科書やノートを出す。


「えっ。圭吾くん文化祭でバンドするの?」


「おう。竜とか軽音部の奴らとな?見に来いよー」


「そりゃ行くよ!楽しみにしてるっ」


うわぁ、また圭吾くんのギター姿が見れるんだ。去年のあの演奏姿に惚れて、それから圭吾くんと仲良くなれて、今もこうして一緒に勉強出来てるんだ。


すると、藤山から肘を小突かれた。藤山を見ると、付箋を渡された。


【ニヤニヤしない。勉強しなさい】


バッと藤山を見ると、何もなかったように勉強を始めていた。


【勉強しますよーーーだ!】


反発の意味も込めて、藤山のノートに走り書きをした。


「ちょ、何するの」


「仕返しだよ。それボールペンだから消えないからっ」


「ぶはっ」


すると、私と藤山のやりとりを見ていた圭吾くんが吹き出した。


「お前ら本当仲良いな」


また、だ。


この言葉を聞くと、この笑ってる圭吾くんの顔を見ると胸が痛む。



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