はじまりはミステイク
「そんなことないですよ。あまりは子どもみたいで」
「私は藤山よりお姉さんですっ」
「はいはい。まりりん、勉強の続きするよ」
そんな私達をなだめたのが一華ちゃんだった。彼女の言葉に従い、黙々と勉強を始めた。
でも、頭の中ではさっきの圭吾くんの言葉ばかり考えていた。
やっぱり圭吾くんにとっては、私と藤山はお似合いの2人なんだ。そんなこと言われても、私は喜べないし、藤山だって迷惑だと思うはず。
「まりりん、そこの解き方って」
「これ、藤山に教えてもらったの」
「そうなんだ。私にも教えてよ」
「!うんっ」
いつも一華ちゃんには教わってばかりだった。そんな一華ちゃんに教える日が来るとは!
「これをこうして、それからこうなって」
一華ちゃんに説明をしている間、藤山達は男子組で話をしていた。
「なるほど。そういう計算の仕方もあるんだ」
「そうみたい。私の説明で分かった?」
「うん。ありがとう」
一華ちゃんがふっと笑った。