はじまりはミステイク
「へへ、よかった」
「勉強の成果出てるね。頑張ってるじゃん、まりりん」
「い、一華ちゃん……」
「ほら泣かない。頑張るよ」
一華ちゃんに褒められたのが嬉しくて気合いを入れ直したら、藤山にクスッと笑われた。
「よーし。みんなキリが良さそうだし、帰るか」
圭吾くんの言葉に頷く。
窓の外はもう暗くなっていた。いつもよりも集中していたみたいだ。私達は帰り支度をしてゾロゾロと図書館を出る。
「みんなチャリ通?」
「そうみたいだね」
駐輪場へ向かい、各自チャリに手をかける。
「家の方向的に俺と竜は一緒なんだけど」
圭吾くんがチラッと私を見る。
「あ!私は大丈夫っ。チャリだしすぐ」
「あまりは俺が送るんで大丈夫です」
すると、藤山が言った。
「よし。天木は彼氏に任せよう!藤山頼んだぞ。坂下はどうする?」
「ここからだと近いから、まりりん達と途中まで一緒に帰るよ」