はじまりはミステイク
「じゃ、あたしこっちだから」
そう言って、右手で手を振った一華ちゃんと別れた私達。
「一華さんが1番の友達?」
ふと、藤山が聞いてきた。
「うん!一華ちゃんほど私の良き理解者はいないよ」
「ふっ、たしかにそれ言えてるかも」
「ちょっとー!そこは上手くフォローしてよっ」
大好きな一華ちゃんがいて、特別なオトモダチの藤山がいて。
そして、片思い中の圭吾くんとも仲良くなれて。
この関係が続いて欲しい、なんて思う私はおかしいよね。
それでも……
「あまり?」
藤山といる時間が、楽しいの。
不思議と安心していられるの。
「よし!私の家まで競争ねっ。負けたら学食1回奢りっ」
だから、まだ離れたくない。
藤山と、この特別なオトモダチの関係を終わらせたくない。
ねぇ、藤山。
私ね、これ以上藤山と一緒にいたら……
「あまり遅いよー」
ううん、考えない。
まだ、考えない。