はじまりはミステイク
「次、圭吾くんが来てたよ。脅かしに行きなよ」
「えぇ!?余計やだよー」
と言いつつも、どんな反応をするのか楽しみで圭吾くんのグループ相手に私は持ち場へ向かった。
足音と話し声が近づく。
『ふっふっふ……』
私の小さな声に怖がる声がする。ふふ、よーし。そのままバッと圭吾くん達の前に姿を現した私。
「ギャっ!!」
男子集団だったけど、みんな抱きつくような形になっていた。って、竜くんだけは無反応だ。
「って、天木じゃん。ビックリさせんなよー」
そして、秒で圭吾くんにバレるという失態を起こしてしまった。
『ちょっ、なんで分かったのぉ〜?』
ちょいおばけちっくにエコーをなびかせる私。
「今分かったし。結構本格的じゃん。今のガチで驚いた」
「へっへーん!脅かし大成功っ」
「いや、今の時点でもう大成功はなくなったな」
「ちょっとヒドイなぁー」
他の男子も笑っている。
「この先はもっと怖いから覚悟して行ってね」
「はいよー」