はじまりはミステイク



そう言ってゾロゾロと歩き出した圭吾くん達。すると、圭吾くんが私の元へ帰ってきた。


「あのさ、天木」


「?」


「明日、バンド演奏するから来てな?客が少ないとか寂しーからさ」


「!もちろん行くつもりだったよ。お客さんとして協力するね」


私達の高校は文化祭が2日間ある。今日は屋台とか出し物はをして、明日が舞台発表やバンドとかの個人出し物があるのだ。


まぁ、人気がある圭吾くん達のバンドで観客が少ないってことはないけどね。


「助かる!じゃーな」


剣道部に真剣になる一方で、ギターの練習もしてるんだ。本当、やりたいことをやり遂げる人だなぁ。


キュン、とくる。


「それにしても、アイツはいつ来んのよ」


圭吾くんがいなくなってから独り言を呟く。


アイツ=藤山。


お化け屋敷に来てねって何度もゴリ押しして、行くからって返事をもらったのに、藤山の奴は姿を見せていない。


おばけが苦手とか?藤山らしくなくてウケるんですけど。



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