はじまりはミステイク
それに、嫌な顔もしなかったし、本当いい奴だ。
「あれって藤山くん?」
「そうそう。同じ中学だったんだー。頭良くて一緒に勉強してたの」
近くのテーブルに座る女子達の会話が耳に入る。前、藤山が言ってた女友達だって言ってた奴等の1人か。ふっ、私だってね、テスト前は藤山と勉強してるもんね。
「まりりん、怖い顔してどうしたの?」
「ううん、ちょっとね」
「お待たせしました」
すると、藤山が現れて頼んでいたドリンクをテーブルに並べた。そしてなぜかケーキまでも。
「これ何?」
「俺からのサービス。友達や恋人、家族を1人だけサービス出来るようになってるの。もちろん一華さんの分もあるから喧嘩しないで済むよ」
来てよかったぁっ!!!っと、モノにつられてどうする、私!
「あ、ありがとう」
「ゆっくりして行ってね」
藤山の1人だけサービス出来るって特権を私にしてくれた、ってことだよね?
ふふ、なんか嬉しいかも。ううん、嬉しいな。