はじまりはミステイク



『ありがとうございます!では、次に2年男子初のメンバーによる作詞作曲した曲を演奏します。竜が担当した作曲はもちろん、作詞にも注目してください!』


「作詞って圭吾がしたのー!?」


どこからか圭吾くんへ質問が飛ぶ。


それ知りたいかも!


『それ恥ずかしいから秘密!』


そう言って少しだけ顔を赤くした圭吾くんが、ギターをセットする。


圭吾くんが作詞したんだ。どんな曲なんだろう?楽しみだなぁ。そう思っているうちに曲が始まった。


ゆったりとしたバラードのようだ。


『初めて出会ってのはいつだったかな?
気がつけば視線はいつも君へ向かってる』


ん?


ボーカルの人の歌う歌詞を聞きながら、何かが引っかかった。


これってまさか……ラブバラード?


『些細なことを言い合ってそして笑って
君の笑顔を独り占めしたくなるんだ』


嘘……


作詞圭吾くんって言ったよね?


圭吾くん、好きな人がいるの?



< 156 / 246 >

この作品をシェア

pagetop