はじまりはミステイク
「誰だよー!」
『名前は言いません。ライバルを増やしたくないので』
ヤキモチ焼きか!なんてツッコミが入る。
『でも、皆さんにお願いがあります。バンドの途中ですが、告白してもいいですかー!?』
答えは1つ。
みんなは告白を後押しするように拍手をする。
聞きたくないけど、圭吾くんの恋が実るなら……応援する。
あぁ、早く告白しておけばよかった。
藤山に間違えて告白しないで、圭吾くんに告白しておけば……もっと早く振られていたのにな。
『では』
そう言った圭吾くんが私を見た。ん?私を見た!?え?これって勘違いだったら……
『好きです』
え?
『ほらな、やっぱり気づいてなかった。今すぐ付き合ってとは言わないけど、いや言えないけど、俺の事を考えて欲しいです。以上!あー恥ずかしっ』
言い終わった圭吾くんが、私から視線を逸らしてはにかんだ。