はじまりはミステイク



「あっ、あまり」


数日後、食堂で藤山と会った。


「文化祭の後から会わなかったけど、元気してる?」


その、文化祭というワードを言わないでほしい。頭に浮かぶのは……圭吾くんからの告白なんだもん。


「元気してないっ。考え事多くて頭痛い!」


モヤモヤをぶつけるように藤山へあたる私。


「何の考え事?」


「いっ、いろいろあんのっ」


圭吾くんのこととか圭吾くんのこととか圭吾くんのこととか……藤山のこととか。


「あの告白のこと?」


「分かってるなら聞かないでよー」


どうしたらいいか分かんないんだから。


「そんなに悩むこと?」


「え?」


「あまりは圭吾先輩が好きなんでしょ?だったら先輩の告白を受ければいいだけの話」


藤山にとって、私って何なの?


こんなにあっさり言われると……いっぱい考えた私がバカみたいじゃん。



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