はじまりはミステイク
そりゃ、藤山の今の言葉は正しいよ。そう思う人も少なくはないと思う。
でも、それって私だけ都合良すぎない?
それとも、藤山は私と圭吾くんがくっつくように応援してくれてるの?
「……ねぇ、藤山は応援してくれてるの?」
私と圭吾くんのこと。
「それなりにね」
そっか。
そうなんだ。
「ほら、圭吾先輩来たよ」
え!?
すぐさま振り返ると、竜くんと学食へ来た圭吾くんの姿が見えた。私は急いで藤山の背中に隠れる。
「なんで隠れるの?」
「き、気まずいのっ。それに文化祭の時から会ってないし」
文化祭の後にラインはしたけど、校内外では会ってない。というより、むしろ圭吾くんに会わないようにと避けている。
「あ、圭吾先輩、一華さんと話してる」
「え!?」
私は一華ちゃんと食堂へ来たから、彼女は私がここにいることを知っている。頼む!どうか言わないでくれ!