はじまりはミステイク
「帰ったよ。そして一華さんが来たよ」
藤山の言葉通り、一華ちゃんが私達の元へ来た。
「まりりん何してんの?」
「隠れてた。へへへ」
「圭吾くん、まりりんのこと探しに来てたみたいだよ?教室いるって言ったけどね」
サンクス、マイフレンド!
「じゃ、俺はこれで」
そして友達の元へ歩いて行った藤山。私達は学食を注文して空いていた席に腰を下ろした。
「ねぇ、あたしすっごい不思議に思うことがあるんだけど」
カツ丼定食にした一華ちゃんが、カツを口にした後言った。
「藤山はまりりんと別れる気はないのかな?」
それなんですよ、姐さん。
「だって、仮にも付き合ってる人が他の人と両思い。それで応援してるわけでしょ?なら付き合ってる意味ないんじゃない?」
きっと、最初から付き合っている意味なんて……なかった。
ずつと、繋ぎ止めている意味なんて……ないんだ。